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ソファで傾いていた彼女の体。
バスローブのまま隣に座り、
間の抜けた寝顔を
笑って覗き込む。
クッションを抱き、
こっくり、こっくり
首と肩が動いてた。
・・疲れるよな。
来てからずっと
丸一日の休みが
取れなかったんだし。
オマケに慣れない事まで
やらされて精神的にも
掻き乱されてさ・・。
移動中、
いつも居眠りしないのが
不思議だったぐらいだ。
( 首を痛めそうだ )
肩を引き寄せ
背中を胸に預かると
リクライニング・チェアみたい
に腹筋に力を入れ、
徐々に幅広のソファに倒れて
シアごと仰向けになった。
「あ・・?」
「そのまま寝ちゃえ・・。」
シー・・・と云いながら、
体重を掛けまいと体を
ずらした彼女に、寝心地には
定評ある腕の枕を提供した。
「腕枕なんて・・初めて。」
切ないことを云う。
坂巻はずっとお前に・・
隙間から冷えていく夜と、
独りぼっちの寂しい朝しか
与えなかったと云うのか?
この俺がガラにもなく
キュンとなったりして
腕で囲い、引き寄せた頭に音を
立てずにゆっくりと口付けた。
「ねえ・・? 社長への返事は
もう決まったの?」
聞かれるとは思っていたろう。
モゾッと体を動かして
彼女が俺の方に向いてくれた。
「私には・・似合わない。」
「そんな事はない。ただ
お前はあまりに弱すぎるんだ。」
正直、見ていられないほど
脆く危うい。
写真を見ても
それは際立って見える。
メイクでは隠せない、
余計浮き上がる純度の高い
影を感じた。
ある種、異質さを感じさせる
雰囲気はそんな所から
漂わせているのかもしれない。
「だから、
俺と云う男もお前を
手放せなくなってる ___ 」
俺はどこかで
恐れているに違いない。
シアに
色んな世界を見せる事を・・。
「心配せずに傍にいろ、
必ず目の届く所に・・。」
キスの予感に初めて彼女が
そっと瞼を閉じた。