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in Osaka
「チビだし、美人でもないし、
人が苦手だし、
上手く話せないし
赤面するだけで・・ないし。」
「え? 最後のトコ、何??」
大阪での
お笑い系情報番組に生出演前。
控え室で、俺がデザインした服を着せられたシアが鏡の前でイジけている理由。
元々はポスターだけで
宣伝する予定だったが
急遽彼女の出演の運びと
なってしまった。
俺達のプロモの予定を知る
会長から
局に電話があったんだ。
要望だから仕方がない。
「・・・笑えない、し。」
「無理に笑わなくていいんだ。
引き攣り笑いは
マイナスイメージだし。」
「・・・それ、重圧です。」
メイクをして貰い、
気持ちが高まった様だ。
意外なのは、
いつも本人が思ってるほど
緊張していないように見える。
前室にADさん?が
出番を報せに来た。
俺は彼女に振り返り、
人目構わず片膝を着く。
「完璧に美しい ____!」
高らかにそう云い放ち、
取った手に"んまっ。"と
キスをした。
そして
スックと立ち上がり、豹変。
耳元に近寄ってドスな一言。
「絶対、逃げるなよッ・・!」
芝居かかったその様子に
周りはクスクス笑ってる。
彼女のあの
困った顔は笑った顔に等しい。
「じゃ、お先に。」
厚底ブーツで転びさえ
しなけりゃ立ってるだけで
イメージ通り、OKだ。
「えー、それでは本日の
ゲストの紹介致します・・。」
にこにこ、
まったりしたジイさん。
関西では
有名で人気のある司会者だ。
俺の紹介をして
軽いトークの後
今度のツアーの予定を話す。
そして
シーグラス社のPRも兼ね、
ブランドの話題に移る。
ポスターを広げ、
CMも流した後。
「えー、今日は
イメージ・キャラクターの方にも
来て頂いてると云う事で・・どうぞー!」
コツ、コツ、コツ・・・。
ブーツの音だけが
画より先に聞こえた。