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「・・誰か! 呼びに行って!」


席に着いたのに肝心の
ゲストがいない。
ADさんが探しに行った。

その時。
メールが届いて
ポケットがブルッたんだ。

携帯を
シアに預けるのを忘れていた。


「プリンス・カイト・・。」


ピッ・・!


『やあ!お早う♪ ベイベー♡

今朝、シア・ベイベーのCMを
拝見したヨ!

そのあまりの美しさに
僕はヒラメいたのさ。

今度の僕のシングル、
"おとぎの国の
プリティ・ガール"

そのPVにシア・ベイベーにも
"お姫様"役で
出演して貰えないだろうか?

ジュード君も現場に
目の保養に来ないかい?
他にもプリティな
ベイベー達を沢山
誘ってあるんだ・か・ら♡』



・・相変わらず
目にウザいメールだ。

〆はスタッカートに
ハートマークだし。


・・・"お姫様"役だって?

それにしてもこの文章、
気になる箇所が
いくつかあるんだが・・。



「お待たせしましたー!」



おっと、
やっとリハが始められる。

いい度胸だ。俺以外、
ベテラン・ミュージシャンを
待たせるなんて・・・

何処のドイツだ。
って・・! オイッ!!


「やあ、ジュード王子。
待ったかい?」

「どこでメール打ってた!」

「ごめんねー、僕、
お腹ユルんじゃって。」



じゃ、ナニか?

便器に座って、
その皮パンずらして、
膝に頬杖付きながら
メールを打ってたのか・・!?

想像付くところが怖い。



「王子は"ピー"なんてしないよ」

「王子は"ウ○コ"しちゃダメだ」

「王子失格だな」

「もう王様になって
オムツつけりゃいいじゃん。」



サクヤがサングラスをツンと
上げて言い出すとそれぞれ
彼を指差し始めた。

・・・・皆、それ本気で
怒ってないだろ。
でも最後のは・・
ギリギリのシャレだな。


あっ・・・座り込んじまった。

・・プロデューサーが
睨んでるよ、王子?





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