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1人で喫茶室?

入り辛い・・。

皆どこかで見た顔の
人っぽく見えてくるし。

でも戻ったら
マネージャーさんは何か
云って来るだろうし・・。

今日、この収録が終わったら
ジュードの衣装合わせの予定が
待ってる。

だから
逃げるのも一回で済むけど、
いずれは事務所に呼ばれるんだ。

憂鬱。


おずおずとテーブルに付き、
ぱっと目に付いた
"ミニ・プリン・パ"を注文。



「あの、すみません。」

「はい」



見上げると、
知らない男の人が二人
携帯を手に私に声を掛けてきた。

雰囲気としては
若いADさんみたいな。



「・・あの、ふ、ファンなんです。
えと、Siaさんですよね?
写メ、撮って貰っていいですか?」

「・・あ、いいですよ。じゃ、」

「エ! いや、僕らじゃなくて」



何を云ってるのか解らなくて一瞬、
ボーゼンとしてまう。

その男性の指は、

"私とアナタ"を示している。



「わ、私と、ですか・・?」



ブーッ・・くっくっく・・。

後の席で吹き出す笑い声がした。
また何か
誰かに笑われてるみたい・・。



「え・・わた・・しって、あの」

「ちょっと君達、アレよ?
あんまりこんなトコで、そんなコト
しない様にね。じゃ、今回だけ。」



しどろもどろしている所、
後ろから出て来た人が
彼らの携帯を借りる。


「はいー、行くよー?」


あれよあれよと
云う間に隣に並ばれ、
写メをパチリ。

お礼を云って帰っていく二人。

たぶん、
赤面のビックリ顔で写ったと思う。

妙な
その仕切り屋と二人取り残された。


「「 ・・・・。 」」


身長はさほど高くない・・
高校生みたいな男の子と
横斜めに
お互い目線を向けていた。

ふっ!と笑い、
口に手を当てて笑いを隠す。

その目は垂れ下がり、
可笑しくてしょうがない様子だ。


「いや、
"ファン"や、ゆうてはったやんか。
天然やし、スゴイ狼狽っぷり・・」


関西人?
そんな笑わなくったって・・。

初対面なのに。



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