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「・・で? お姫様役って?」
「いろいろあるじゃない。
ホラ、白雪姫、人魚姫、
かぐや姫とか。」
収録を終え、カイトと一緒に
喫茶室へ向っている。
マネージャーは
スタジオの入り口で
電話してたので置いて来た。
ふとその入り口を見ると
杖を持った老人が
入り口に立っている。
・・・あれは?
カイトに先に
入らせてから声を掛けた。
「・・会長。こんにちは。」
「よぉ、ジュード君。
・・ふふ。アレ。」
「え?」
店の中を見ていた会長は
チラと指をさす。
シアが
パフェを食べている席に、
見知った顔の青年が
一緒に座っている。
カイトもそうなんだろう。
同じ席に今、座ったところだ。
「ああやって同席して貰うまで、
次々と写メを強請られて
さっきまで大変だった。」
「・・本当ですか?」
いったい
何時からそこで見ていたのか?
それより
中に入るつもりはないらしい。
年寄りだ、
あまり長い立ち話も・・。
「どうして此方へ?」
「うむ、ちょっと人と会いにな。
あぁ、
・・あの話はもう聞いたかい? 」
「ええ」
「借金はチャラ、
それにあの子の期限はもうない
も同然じゃろが。今まで通り
させてやればよかろうもん。」
「え_____ エッ!?」
飄々と云いのけるからつい、
いい加減に返事するとこだった。
俺は思わず口を手で覆い、
老人を凝視してる。