オレンジ

なな、何てこった…



よろけて校門に掴まる。



校門前には、漫画の世界から飛び出してきたような、○○親衛隊ばりの女生徒の皆さんの黄色い声が飛び交っている。



優しい笑顔を振り撒く涼輔さんは当然として、
眉間にしわを寄せ、明らかに迷惑そうにしている洋輔さんにまで!(おい)



あ、甘く見ていた。

少しでも、イケメンにうはうはしていた自分…


これは、命の危機だ。


体からサーッと血の気がひいていく。



何としてでも、隠し通さねば、闇討ち…袋叩き?獄門のうえ晒し首かもしれん。釜茹で…火炙り…


し、死んでしまう…



入居したことを心の底から後悔し、人垣を避けて体育館に急いだ。



怖えぇよぉぉぉ!!



青ざめながら体育館の入り口に辿り着くと、クラス発表と、体育館の座席表が掲示板に貼ってあった。



深呼吸しながらそれを眺める。



えーと、2組。だな。



座席表を頭に叩き込み、体育館に入る。



気持ちはどん底で。




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