+snow drop+
お気に入りの写真が出てきた。
それは唯一、母と二人で写っている幼稚園の入園式の時の写真だ。
まだ幼い私は、新しいフリフリのワンピースを着て、左胸にはひまわりの形をした名札に母の字で【そい はるか】と書いてあった。
たぶん父が撮った写真だろう。
そうしている内にもう昼過ぎになっていた。
突然、電話が鳴った。
私はビックリして、ドキドキしながら電話に出た。
「もしもし?はるか?」
母の声だった。
「なんだお母さんか。ビックリさせないでよ!」
「ごめんなさいね。今日、帰り八時頃になりそう。」
「分かった!お土産ヨロシクね!」
「はいはい。じゃあね。」
「バイバイ。」
ガチャ。
「とりあえず、昼食作ろう。」