箱入りお姫さまの秘密事
Ⅹ
まぁそれはいいとして
と、俺は続けた
「さっき俊、まどかちゃんにはケイタがいるからって言ったよな?じゃぁケイタがいなかったらお前、彼女のことどう思ってるんよ?て話や」
俊は黙ったまま俺を見る
「ぶっちゃけ俊の気持ちなんて今はいいんや。俺はな、多分まどかちゃんが好きやねん」
「だからなんだよ?」
「だからもぅお前に手加減せぇへん。俺は俺なりにまどかちゃんの笑顔を作る
悔しいけど、今のまどかちゃんの頭の中は俊のことで一杯や」
俊は黒百合荘から離れるように歩きながら言った
「どうしてそんなことが分かるんだよ」