箱入りお姫さまの秘密事
Ⅱ
ふ、と時計を見ると12時、3分前…
「ひぃぃ
早く来たのに遅刻になっちゃう!」
私はマッハでホールに向かった
――― 大塚さんに恋愛感情を持ってなくて…じゃぁ野嶋さんは…?私、野嶋さんのことはどう思ってるんだろ?
「片岸、ほらランチは混むんだから、ぼーっとしないで」
マネージャーに注意されつつ、必死に接客をした
バイトでお金を貯めて、落ち着いたら黒百合荘を出ないとな
最初は我が儘で女禁なのに住まわしてくれたけど
きちんとお金貯めたら出ていかないと…