箱入りお姫さまの秘密事

うとうとしながら、帰りの電車を駅のベンチで待つ


夏の終わりの風が気持ち良い

「まぁデザートまで食べたら眠くなるよね」


クスクス笑いながら大塚さんが言う


「片岸さん、今週はずっとバイト?」


「いや
莉子さんとお茶したり、野嶋さんと水族館に行ったりしますよ」



「…じゃぁ予定が沢山なんだね」



遠くどこかを見ながら答えた大塚さんの顔は、やっぱりどこか寂しそうだった



< 132 / 229 >

この作品をシェア

pagetop