箱入りお姫さまの秘密事
「莉子がそう思うなら、そこを直せばいいじゃない」
そこを直したら、俊はまた莉子のことを好きになってくれるのだろうか…
「莉子にはさ、もう少し相手の気持ちとか自分自身を見直したりとか、そういう時間って必要なんだと思う」
自分自身を見直す時間…?
だって今まで莉子の時間は全て俊に尽くす時間だった
俊が全てだった
だからこそ、俊がいなきゃ莉子の生活なんか何の意味もなかった
「翠さんは…人を死ぬほど好きになったこと、ありますか?」
「ないわね」
きっぱりと返事をされる