箱入りお姫さまの秘密事


少し驚いている野嶋さん


そりゃ驚くだろう

急に泣かれるんだから


でも止まらない

一回流した涙を止めるのは至難の業なんだよ


「どした?」


「のっ
野嶋さんのった態度がこわっこわくて」


しゃくりをあげて泣きながら話す私に


少し笑いながら、野嶋さんは私の頭をぽんぽんしてくれた


「ごめんごめん
まどかちゃんに冷たい態度とったわけじゃなく


う~ん

言っていいんかな…


うん

今日やった歯科医師の模擬実験がいつもよりうまくいかなくてな

それで少しカリカリしてたんよ」


そのまま、野嶋さんは私の背中に右腕を回し抱きしめられる形になった


そして、それにな、とそのまま続けて話した



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