箱入りお姫さまの秘密事
そういや暁衣は好きなやつとかいないのかな?
あんま聞いたことねぇしな…
「なぁ暁衣」
「ん~?」
近くにあったキャンディーに手を伸ばしながら暁衣は答えた
「お前
好きなやつとかいないの?」
「ん~」
肯定するわけでもなく
否定するわけでもなく
疑問でもない
その答えの反応に少し困ったが
暁衣の「隠し事」は今に始まったことじゃない
まぁ気にしなうでおくか
「あんなぁ
俊…」
突然話し始める暁衣
「なんだよ」
「人を好きになれるだけ幸せなんよ?
変に勘ぐって失敗すんも
壁に当たって試行錯誤するんも
幸せなことなんよ
それだけは肝に銘じときぃ」
「お…おぅ」
なんで急にそんなこと言われたのかは分からないけど、暁衣の少し悲しそうな顔が頭から離れなかった
それから数分俺たちは他愛もない話をして、自分たちの部屋に戻った