箱入りお姫さまの秘密事



「寂しいん?」



野嶋さんが顔をにょっとだしてきた



「えっ
そんなわけじゃなくて
えっと…」


「嘘やて
ほら
買い物一緒に行ったるわ
まどかちゃん独りじゃいつ帰ってくるかわからんしな」




「そっそんな!
もぅ近くのスーパーとバイト先になら目を閉じてでもいけますよ!」



少し反抗すると


はにかんだ笑顔で、でもいつもじゃ見れない顔で


そうなんや



って返事してくれた




そのとき


少し自分の顔が赤くなるのがわかった


野嶋さんってこんな笑いかたもするんだ






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