箱入りお姫さまの秘密事


「おおぅ!
何してん?こんなところで」


偶然を装って俺は話した


いや
偶然っちゃぁ偶然なのだが…


「あっ
わたしはちょっと用があって…」


片岸まどかは少し悲しそうな顔をした


確かまどかちゃん、わんこ飼ってるんやな


市内で動物専用の墓地あるとこって、最寄り駅ここやなかったっけ?


「失礼なことを聞くけど
まどかちゃん」



「はい?」


「君の飼ってるケイタって犬、もしかしてもぅ歳とかで…」



言葉に詰まった


前に「ケイタ」について懐かしい目で話されたことがある


まどかちゃんにとってケイタは本当に大切な存在なんやろう




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