箱入りお姫さまの秘密事

「莉子さん?」


まどかちゃんは訳がわからないという顔で俺の方を見てきた


「なんか…今日待ち合わせてたみたいやな。うん。」


最後の「うん」は自分でも何だかわからないが、多分確認の「うん」だろう



「だから大塚さん、お夕飯ご一緒されなかったんですね?」


少し泣きそうな顔をしてまどかちゃんが言った



そんな泣きそうな顔をするなよ


べっっ別に抱き締めたいなんて思ったりしてないからなっ


誰に言ってんねん、俺



俊と莉子のじゃれあい(?)をシカトして、俺はまどかちゃんに部屋にいくよう促した



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