『降下を志願する』
ゴードン、シュガートの二人もまた、出発前の準備に追われていた。

セミオートマティックライフル『H&K MSG-90』の動作確認。

そして銃に使う7.62mm NATO弾をタクティカルベストに入れる。

MSG-90はデルタが湾岸戦争でも使用した実績のあるスナイパーライフルであり、ゴードン達も好んで使用していた。

「俺達も降下する必要あるのかな」

シュガートがMSG-90に弾丸を込めながら言う。

「必要ねぇよ」

ゴードンが銃のスコープを覗き込んで確認しながら返す。

「俺達はヘリの上から高見の見物、たまに援護射撃してりゃいい。あとの事は他の連中やレンジャーの奴らがやってくれる」

「…そうだな」

笑みを浮かべて銃の確認を続けるシュガート。

スナイパーは後方支援が仕事。

地上で戦う必要はない。

二人はタカをくくっていた。

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