『降下を志願する』
プロローグ
1993年10月3日。

冷戦の終結と共に始まったソマリア内戦は泥沼化し、戦争による難民の飢餓が国際的な課題となった。

国際連合(UN)は難民への食糧援助を行う為、平和維持活動(PKO)による軍事的介入を行った。

最大勢力ババルギディル族を率いて和平に反対するアイディード派の敵対者達への軍事的包囲をやめさせ、飢餓状態を救おうとしたのだ。

作戦は国連主導のものではなく、ビル・クリントン大統領率いる米国の単独で行ったものであった。

統合特殊作戦コマンドの実行したこの作戦は、第一目標はソマリア民兵の将軍モハメッド・ファッラ・アイディードの副官二人を捕らえる事だった。

後に世界中のメディアによって『モガディシュの戦闘』と名づけられる事になるこの戦闘。

当初は僅か一時間程度で終了する筈の作戦だった…。



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