『降下を志願する』

午後4時00分

群がってきていた。

押し寄せてきていた。

甘い砂糖に引き寄せられる蟻のように。

黒い肌の、柄の悪い男達が集まってきていた。

手には銃火器。

その表情には、憤怒と狂気が浮かび上がる。

俺達の街を。

聖なるアフリカの大地を。

土足で荒らしまわるアメリカの狗ども。

鉄槌を下してやる。

皆殺しにしてやる。

殲滅してやる。

彼らはアイディード派の民兵。

練度はレンジャーやデルタには劣るかもしれないが、その妄信にも似た強いアイディード将軍への忠誠心と団結力、そして屈強なる精神力で、幾度となく国連軍に牙を剥いてきた武装集団だった。

そんな彼らが接近してくる。

デルタを、レンジャーを、虐殺する為に…。

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