『降下を志願する』
「マクナイト中佐!」

ハンヴィーの後部座席に乗っている兵士が叫ぶ。

「民兵の攻撃が激しいです!」

「迎撃しろ!」

マクナイトが怒鳴るように言う。

交戦規定により、相手が発砲するまで米軍は撃つ事が出来ない。

この銃撃の雨ならば、誰も文句は言わないだろう。

銃架担当の兵士がブローニングM2重機関銃の引き金を引く。

吠えるような銃声。

吐き出される薬莢。

市街のビルに、物陰に、窓に潜んでいた民兵達が、その銃撃に身を隠し、中には命中して絶命する者もいた。

車両部隊のハンヴィーは、どの車両もこの強力なブローニングM2重機関銃を装備している。

武装の上では米軍が圧倒的に有利。

だが次の瞬間。



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