『降下を志願する』
何も言葉は発しない。

ただゴードンは、無言でシュガートを見た。

シュガートもまた、ゴードンと視線を交わした。

言葉など必要ない。

『誰一人として見捨てない』

その精神のみが、彼らを行動に駆り立てた。

「こちらゴードン、司令部聞こえるか」

ゴードンは無線で直接司令部に問いかける。

「降下を志願する。降下してスーパー64を確保、部隊の救援を待ちたい。許可を求む」

しかし、司令部の返答は冷酷なものだった。

『こちら司令部。降下は許可できない』

それは司令部オペレーターの声だった。

『これ以上ヘリを危険に晒す事は出来ない。降下は許可できない』

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