『降下を志願する』
くそ…!

手にしたMSG-90を握り締め、ゴードンは歯噛みする。

眼下に仲間がいる。

きっと傷つき、助けを待っている。

すぐそこまで暴徒が近づいているのだ。

なのに助けに向かう事が出来ないのか…!

しかし司令部の判断ももっともだった。

ウォルコット機もデュラント機も、地上部隊の援護の為に低空飛行をしていた際にRPGによる砲撃を受け、墜落してしまっている。

降下中はホバリングでヘリを停止させなければならない。

最も狙い撃ちされやすい状態になるのだ。

ここで3機目のヘリを撃墜される訳にはいかなかった。

『上空から援護しろ。いいな?』

「…了解…っ」

オペレーターの声に、ゴードンは苦々しく返事する他なかった。

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