『降下を志願する』
長々と停車している暇はない。

止まっている時間が長ければ長いほど、犠牲者は増えていく一方だ。

負傷者や死者の収容ももう手馴れてきた。

手早く荷台に遺体を積み込み、マクナイトは再び車両に乗り込む。

「またバリケードだ!まともなルートを探せクソッタレ!」

無線に向かって喚き散らすマクナイトに。

『なら今来た道を200メートル戻って左折だ』

上空のヘリからの無情なナビゲート。

「戻る?やっとの思いでここまで来たんだぞ!」

『こっちだって必死にルートを探しているんだ。戻れ』

「…了解…っ!」

腹癒せに無線を叩き付け、マクナイトは運転席の兵士に告げた。

「戻れ!200メートル戻って左折だ!」

「ええっ!俺達殺されますよっ!」

「いいから戻れ!言う通りにしろ!」

最早部下の兵士もマクナイトも、半狂乱だった。

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