『降下を志願する』
しかし、それはエヴァーズマン達が見慣れたハンヴィーだった。

マクナイト中佐の率いる車両部隊とはまた別の、基地からやって来た小規模な緊急車両隊だった。

エヴァーズマン達は車両隊と合流する。

「エヴァーズマン軍曹、無事だったか!」

ハンヴィーの窓から兵士が顔を出す。

彼らもまたマクナイトの車両部隊と同様、バリケードに行く手を遮られて進むに進めずにいた。

「自分達もブラックホークの墜落地点に向かっているんですが…」

「……」

兵士はエヴァーズマン達を見る。

酷い姿だ。

銃撃に晒され、砲火の中を駆け抜けてきたのだろう。

重傷ではないにせよ、撃たれて出血している者、疲弊し切っている者も多い。

まともに戦えそうな者は数少なかった。

「乗れ、エヴァーズマン。一旦基地に戻り、態勢を立て直すんだ」


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