『降下を志願する』
1993年10月4日午前5時30分。

全ての兵士を装甲車、戦車といった救出車両部隊に収容する頃には、既にスペースは空いてなかった。

ペリーノ、フート、サンダーソンといった生き残りの兵士達は車両に搭乗する事も出来ず、遂に凄まじい砲火の中、モガディシュから国連統制下のスポーツスタジアムまでの数キロの距離…通称『ザ・モガディシオマイル』を走って撤退した。

飲まず食わず、休息なしで15時間以上戦い抜いた上、戦場を自らの足で走って撤退したのである。

その過酷さに嘔吐しながらも走り続ける兵士。

彼らがようやく安全圏に脱出する事が出来たのは、午前6時30分の事であった…。

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