絶愛
マジマジと見る雅彦は、茶髪に、ホストチックなロン毛で、背は高く、体はがっちりとして、脱いだらどんな体なんだろう?と思うほど、胸板が厚い。




タバコ臭い部屋を後にし、先程ナンパされたコンビニまで雅彦と行こうとしたら、玄関を出てすぐに雅彦が口を開いてきた。



「美沙ちゃんだったけ?疲れただろ?
帰っても大丈夫だから。」


思わぬ申し出。

この人はいきなり何をいうのだろう・・



「お酒買わなくて…大丈夫なの?」


「そんなもん、ほっとけばいいよ。」




実際、私自身少し   ゛ありがたい″

状態だったので、雅彦の言葉がとても嬉しかった。




「うん。ありがとうね。帰るよ」



別れを告げ、家に帰ろうと背中を向け、歩きだした時…


「美沙ちゃん!送っていくよ。乗りな?」




そう言って、雅彦は、路肩に停めてある、黒いセドリックの車に乗り込み、横付けをしてきた。




< 10 / 63 >

この作品をシェア

pagetop