絶愛
「お邪魔します」

滑るように助手席ちょこんと座る。


車内はグレーのふわふわのチンチラが張り付けられて、なぜか、ルームミラーには、大きなふわふわの尻尾がぶら下がっている。

むわっと車の芳香剤が鼻についた。

酔っている今の私には少し、きついよ…。






「家はこの辺り?」

「うん…近いよ」

「そっかぁ。まだ時間ある?」

「あるよ~。
私、プー太郎だし。」

「そうなんだ。」



それを聞いてか?雅彦は、車を違う方向へ走り始めた。


やばいなぁ…。

胸がムカムカしてきた。






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