絶愛
大河と仲直りができたのはいいけど…


「クリスマス」って言葉に軽いため息を履く。


考えた所で、どうにもなるわけでもないのにって言うか、気にしてるのは私だけなんだろうけどね。



明日は24日・・

普通なら恋人同士、過ごしでいるんだろうけど。

この飲食の世界はそれが許されるわけも無いのだから。





「お疲れ様です」



久しぶりに、私の担当する一般向けフロアー(星)が早く終わり、Vip対応のフロアー(華)へ売上を持って戻ると、そこにはのぞみが忙しそうに売り上げ計算中。


「のぞみ?もう少しで終る?」

「う~~ん。20円が合わなくて・・」


「そっかぁ。終るまで事務所でまってるよ」



「うん・・ごめんね。店長達は帰ったから、ナイトバック(売り上げを入れる袋)一緒につきあってもらっていい?」

「もちろん!」


着替えもせず事務所の中でのぞみを待つ事にしていたら立て続けに大河も事務所に入ってきた。


「よお!お前まだかえらねぇの?」

「うん。のぞみとナイトバック入れなきゃだから」

「はぁ?!副店は?」

「副店は主任達とさっき帰ったよ」



「なんだそれ?女の子達だけかよ?」

「まぁ・・いつもの事だよ」




そう、いつもの事。





私達は新人だから最後


までいなきゃいけない。



それが当たり前だとも思っているし別に苦でもないんだから。


明日の食材発注をFAXにかけて、大河は事務所を出て行った。


それと同時にのぞみが終わり、更衣室に直行。





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