SKYBREEZE

「──…っ」

暗い意識の中、引きずり出すように目を覚ます。
明日はきっと色々なところが筋肉痛だろう。
そう思う。

「気が付いたのか」

「!だ…」

誰?
明らかに釦ではないその声に、僕は動揺して視線を巡らせた。
暫くして僕の目が映し、僕の頭が認識したところに因れば、30代のオッサン…だった。
何とも面白味に欠ける展開で頭を抱えたくなるが仕方無いのだろう。

──男が降ってくるわ男に拉致られるわ、本当災難…。

「…何か用ですか」

僕みたいな人間を誘拐するというのは、ただの無差別にしては残念ではないか?
僕は男だし。
そう思って口に出した質問に、相手はフ、と口元を歪めた。

「実験結果を確かめに」

実験、結果?
誰が何で何のために。

「実験…?」

「よく此処まで生きたよ、伶」




─────伶?



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