SKYBREEZE
そっと、そっと窓から外を目だけで拝見してみる。
まだ僕の目は開いていない。
「…5%の奇跡を」
誰に対する祈りでも無いが、そっと目を開こうとした。
・・・・・・
そう、開こうとした。
「君の心は判ってる」
その一言で、僕は半ば無理矢理開眼。
ダン!
図書室の低めの窓の下枠に強い音と共に足を掛けて僕を不適材不適所な笑顔で威嚇するのは、
一、制服を着てない
二、同級生とかじゃない
三、死んでない
──少年だった。
「──その様子だと、どうやら僕が誰かということよりも優先すべき点は僕が本当に落ちてきたのか、ということのようだね」
スラスラとまるで台本を暗記してきたかのように少年は饒舌に話した。
確かに僕はそれが知りたかったし、実際こいつが誰なのかなど心の端でも考えていなかった。
「当たり前。お前が話したかったこととは違ったんなら悪いな」
「別に。僕は君に会うつもりなどなかったんだ。ただ…」
相手はいきなり本題に入った。
僕は焦って辺りをうかがった。別に人の居る居ないに興味があった訳ではなく、視線を持て余しただけだ。