虹色に変わる恋
プロローグ
どしゃ降りの雨の中


俺は傘を開いて女性に差し出した


「風邪…引きますよ?……」


「…ック……すみ…ませ…ん…」


女性は泣きながら顔を上げた


涙に濡れた頬は雨に隠され、余計に胸が締め付けられる


女性は濡れた髪を手で軽く整え、俺の差し出した傘を手に取った


「あなた…びしょ濡れ…」


「君が気になって急いだから…」


女性はクスッと微笑んで、俺を傘の中に入れた


これが俺と君との出逢い





───────……

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