虹色に変わる恋
「え?婚約者?」


俺は驚いた


今の時代に親同士が決めた婚約者がいるなんて…


「あの日…私、初めてその婚約者に会いました。父の会社の取引先の息子さんです。失礼のないように…したつもりでした」


俺は菜月に水を出した


「ちょっと待ってね」


俺は店の看板の電気を消して、ドアの鍵もかけた


今日は誰にも邪魔されたくなかった


「ごめんね…今日は貸し切り!話、聞いてあげるよ」


「直哉さん…ありがとうございます」


泣きそうな顔が少し笑う


「菜月、俺に遠慮すんなよ!」


俺は菜月が話しやすいように、いつもの直哉に戻った


「うん(笑)」





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