虹色に変わる恋
ドアの前からカウンターに近づいてくる菜月


俺にはその姿がまるで背中に白い翼が生えた天使に見えた


「来ちゃった…」


「菜月…」


俺はおしぼりを渡し、オレンジジュースを出した


「とりあえず今日はコレ」


「うん」


アルコールは俺と二人の時にしか飲ませたくなかった


菜月の真っ白い肌が、ほんのりと赤くなるのを、他の奴等には見せたくない


フルーツを菜月に出して、横目で菜月を見ながら、他のお客の相手をしていた


ある男の声が聞こえる


「お嬢〜さん!1人?」


「良かったら俺等と飲もうよ」





< 16 / 88 >

この作品をシェア

pagetop