虹色に変わる恋
「はい…」


お母さんはそれだけを言うとサッサと部屋から出て行った


「そんなのわかってるよ…」


涙が頬を伝う


さっき電話で言った嘘


ああでも言わなきゃ…


私はあなたを辛い目に合わせてしまうから


好きな人とデートしたかったな


今日はクリスマスだもん


婚約者っていっても特に連絡もないし、会ってもないし、好きになるハズがない


だって私にはもう…


好きな人がいる


この気持ちはもう変えることは出来ない


あの日、私に傘を差し出した直哉の優しさが好き


私を見つめる目が好き


私に微笑むあの顔が好き


気が付いたら私は家を飛び出していた





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