虹色に変わる恋
俺は菜月が指差す方向を見た


綺麗な半円とまではいかないが、空にある黒い雲と白い雲の間に青空があり、そこに綺麗な虹が出ている


「虹なんて久しぶり〜!直哉は?」


「俺は…随分見てないな…虹」


いつも仕事で夜の街を歩いてる俺には、虹なんて見る機会も、ましてや空を見上げる余裕さえもなかった


「虹って不思議だね」


「そうだな」


「ね、直哉、虹みたいな綺麗なカクテルってあるの?」


「あるよ」


「今度作ってくれる?」


「ご希望とあらば…」


俺は菜月のおでこに軽くキスをした





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