雨に恋した華
テレビ画面の中では、笑顔のお天気お姉さんが大きなモニターを指しながら話を始めた。


あたしの住んでる地域には、立派な晴れマーク。


降水確率も0パーセントの今日は、俗に言う『お出掛け日和(ビヨリ)』らしい。


ため息混じりにテレビを消したあたしは、バッグを持って立ち上がった。


「行ってきまぁす……」


「あっ、行ってらっしゃい」


晴れの予報に落ち込んだあたしが呟くように言うと、洗い物を済ませたママが優しい笑みを浮かべながら返した。


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