雨に恋した華
《さっきは、ありがとうございました。
虹希さんとお話が出来て、嬉しかったです。》
あたしは、作成したばかりのメールを何度も読み直した。
「早く送りなよ」
そんなあたしを見ていた千晶は、見兼ねたように苦笑した。
「わ、わかってるもん……」
そうは言ったものの、送信ボタンに置いた親指は固まったままで、微動だにしない。
「紫、緊張し過ぎだよ!」
千晶はプッと吹き出した後、ケラケラと笑い出した。