雨に恋した華
ずっとこんな気持ちでいるくらいなら、勇気を出して言えば良かった。


『また会ってくれませんか?』


って、言葉を…。


心の中では何度も言っていたのに、本人を目の前にすると緊張感に負けて、その言葉を飲み込んでしまった。


頑張ると決めたハズなのに、早くも弱気になっている自分がすごく情けない。


モヤモヤした気持ちのままため息を漏らして、ゆっくりと体を起こした時…


机の上に置いていた携帯が、あたしの気持ちとは裏腹に軽快な着うたを鳴らし始めた。


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