雨に恋した華
「もしもし……?」


問い掛けるように言ったあたしの胸は、言うまでも無く高鳴っていた。


「紫ちゃん?」


「はいっ……!あの、昨日はありがとうございました」


あたしは緊張を含んだ声で、ゆっくりと言った。


「どういたしまして。それより今、大丈夫?」


「はい」


「もう昼は済ませた?もしまだ食べてないなら、これから一緒にどうかなって思ったんだけど……」


あたしが頷きながら答えると、電話口の虹希さんが優しい口調で話した。


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