雨に恋した華
だけど、千晶はあたしの事が羨ましく感じるらしい。


童顔のあたしは、お世辞にも美人系とは言えない顔立ち。


髪もくせっ毛だから、毎朝整えるのに苦労している。


大きめの二重の瞳も、少しだけ丸めの輪郭も、ポテッとした唇も、童顔の自分(アタシ)を益々童顔に見せるから、本当は嫌いだったけど…


千晶に出会って、その考え方が変わった。


『あたし、紫の可愛らしい顔が好きだよ』


中学の時に彼女が言ってくれたこの言葉は、今でも鮮明に覚えている。


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