雨に恋した華
あたしが公園に着いてすぐに、雨が降り出した。


虹希さんとの約束の時間まで、まだ15分以上もある。


だけど…


公園の中やその周辺には、雨宿りが出来る場所なんて無い。


少しずつ強くなっていく雨に濡れないように、傘を傾けて差しながら立っていた。


雨粒が傘や地面を叩く音が響いている。


誰もいない公園が寂しげに思えて、雨に濡れている遊具をボーッと見つめていた。


程なくして、後ろに車が停まった事に気付いたあたしは、反射的に振り返った。


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