雨に恋した華
「紫ちゃん?」


「キャッ……!」


不意に虹希さんに顔を覗き込まれて驚いたあたしは、慌てて視線を逸らしてしまった。


ヤバッ……!


そう感じた時には、もう遅かった。


咄嗟の行動のせいで気まずさを感じてしまって、虹希さんの顔を見る事が出来ない。


すると…


「ブッ……!」


しばらく黙っていた虹希さんが急に吹き出したかと思うと、そのままケラケラと笑い出した。


彼が笑い出した事に驚いて、思わず顔を上げていた。


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