雨に恋した華
虹希さんは息を小さく吐いた後、あたしの頭をポンポンと撫でた。


意地悪な言葉とは裏腹な彼の優しい態度が、あたしを益々混乱させる。


「ごめん……。紫ちゃん見てると、ついいじめたくなって……」


虹希さんは苦笑しながら、あたしの髪をクシャッと撫でた。


「でも、家に連れ込んだ俺が説教みたいな事言ったって、説得力ないか……」


さっきまでは、虹希さんの意地悪な態度に戸惑っていたのに…


おどけるように笑った彼に釣られて、あたしも小さく笑っていた。


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