雨に恋した華
浴室の鏡に映るあたしは、酷い顔をしている。


「何よ、あれ……」


意味わかんない……


虹希さんの言葉や行動が頭から離れなくて、心の中で必死に悪態をついた。


彼の事がわからなくて、すごく苦しかったけど…


こんな意味のわからない事で、泣いたりなんてしたくない。


絶対に泣かない……


そう思っていた。


それなのに…


あたしの頬に、一筋の涙が伝った。


零れ落ちる涙を誤魔化したくて、頭からシャワーを浴びた。


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