雨に恋した華
「ご飯は食べられそう?」


あたしの顔を見たママは、優しく微笑みながら訊いた。


あたしはダラダラと体を起こして、首を小さく横に振った。


「そう……」


ママは困ったように笑って、あたしの頭を撫でた。


「ちょっと待っててね」


それから、そう言って立ち上がった。


不思議に思って顔を上げると、ママは小さく笑って部屋を出て行った。


ママが取った行動の意味がわからなかったけど考える気力は無くて、ただ呆然とドアを見つめていた。


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