雨に恋した華
千晶と健一は、幼なじみなんだ。


幼稚園の頃からの付き合いらしい二人は、お互いの事をよく知っている。


『こいつとは、ただの腐れ縁。だから、それ以上でもそれ以下でもねぇよ』


以前、健一はそんな風に言っていたけど…


あたしに言わせれば、“腐れ縁”だって立派な“幼なじみ”だと思う。


健一の事は、苦手だと思っているけど…


“幼なじみ”と呼べるような相手がいないあたしには、いつだって二人の事がほんの少しだけ羨ましく思えてしまうんだ。


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