雨に恋した華
「紫が生まれて来てくれた時、嬉しくて堪らなかった。パパに出会えて本当に良かったって、改めて思ったの」


ママは心底幸せそうに言って、ニッコリと笑った。


「ツライ事もたくさんあったし、何度も泣いたけど……。自分の気持ちに嘘をつかなくて、本当に良かった……」


優しい笑みを浮かべたママが、あたしの頭をポンと撫でた。


「だって……パパに自分の気持ちを伝えてなかったら、きっと紫には出会えなかったから……」


そして、穏やかに微笑みながら優しく言った。


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