雨に恋した華
ママの言葉がすごく胸に響いて、また泣き出してしまいそうになったけど…


あたしは涙をグッと堪えて、ママの話を黙って聞き続けた。


「その人にね、『今がどんなにツラくても、過去の自分の選択が失敗だったとしても、過去の自分を否定すんなよ』って言われたの」


その言葉を聞いたママは、『過去の自分を褒めてあげなきゃいけないって思った』って、誇らしげな笑顔で付け足した。


「ねぇ、紫……」


ママは優しい声であたしの名前を呼んだ後、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめた。


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