雨に恋した華
「とにかく、やるの忘れたから俺にもプリント貸せって」


「あのねぇ〜……」


「どうせ確信犯なんでしょ」


健一の偉そうな言い方に腹を立てたあたしの言葉を遮って、千晶がズバッと言い放った。


その瞬間、彼が眉をピクッと動かした。


「ほ〜ら、やっぱり!そうだと思った!」


千晶は健一を見ながら、得意気な笑みを浮かべている。


「千晶は黙ってろよ!」


彼は眉をしかめたまま、さっきと変わらない偉そうな口調で言い返した。


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