雨に恋した華
しばらく黙っていた虹希さんは、ため息をついてから冷ややかな表情のまま口を開いた。


「忙しいから、さっさと話してくれる?」


正直に言うと、あたしの話なんて聞いて貰えないかと思っていた。


だから、ぶっきらぼうな言い方でも聞く姿勢を見せてくれた事が、すごく嬉しかった。


あたしはゆっくりと深呼吸をした後、虹希さんを真っ直ぐ見つめながら口を開いた。


「あたし、駆け引きとか苦手だし、回りくどい言い方とかも出来ないんです。だから、単刀直入に言いますね……」


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